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2026年5月13日 更新Taku家計管理約9分

【2026年版】同棲の家賃・手取り別シミュレーション|30%ルールで貯金ゼロになるカップルを救う設計術

同棲カップルが部屋を選ぶシーン

同棲を始めるとき、家賃でもめたカップルは少なくない。「30%以下が目安」という情報はどこにでもある。でも、その30%を払った後に何が残るかを計算したことはあるだろうか。

手取り合算40万円で12万円の家賃を選ぶと、生活費と合わせて月の支出は39万円になる。貯金は1万円以下だ。数字のルールを守っても、生活は苦しくなっていた。この記事では、シミュレーション表と収入差カップルの分担設計をまとめた。

この記事でわかること

  • 合算手取り35〜60万円別の「無理ない家賃」と「貯金できる家賃」の違い
  • 30%ルールの落とし穴と、都市・ライフスタイル別の現実的な目安
  • 収入差があるカップルの分担設計3パターンとシミュレーション
  • ふたりが揉めずに家賃を決めるための「3つの問い」フレームワーク
Taku執筆・監修

8年以上の同棲経験と実践知をもとに、ふたり暮らしの家事・お金・時間の最適化を発信。

SECTION 01

まず知っておく「家賃の基本ルール」と2024年の現実

家賃と手取りのバランスを考えるふたり

手取り25〜30%の根拠

「家賃は手取りの30%以下」というルールは、複数の不動産情報サービスが共通して使うスタンダードだ。残りの70%で食費・光熱費・通信費・交通費・貯金を賄える計算から逆算されたもの。ただし、これは一人暮らしの感覚で設計されたルールでもあった。

同棲・二人暮らしの場合は、合算収入で考えるのが正確だ。目標別の目安を整理すると、こうなる。

目標設定
上限目安(30%以下)
向いているカップル
通常の同棲カップル
ポイント
標準的なスタートライン。ただし貯金が厳しい場合も
目標設定
余裕重視(25%以下)
向いているカップル
旅行・趣味にお金を使いたい
ポイント
生活の満足度を保ちながら月3〜5万円の貯金が可能
目標設定
貯金最大化(20〜25%)
向いているカップル
結婚資金・マイホーム資金を積み立て中
ポイント
家賃を抑えた分を積極的に投資・貯蓄に回せる

アットホーム・SUUMO・UR賃貸住宅の共通見解をもとに編集部作成

「30%ルールで貯金ゼロ」になる仕組み

競合記事のほぼ全員が書いていない話がここにある。総務省「家計調査2024年」によると、二人以上の世帯の消費支出月平均は約32.5万円(住居費含む)。同棲カップルの場合、家賃を除いた生活費は月約27万円が目安だ(食費・光熱費・通信費・交通費などの合計)。

⚠️ 30%ルールの落とし穴|合算手取り別シミュレーション
合算手取り
40万円
家賃(30%)
12万円
生活費(家賃除く)
27万円
合計支出
39万円
残り(貯金等)
⚠️ 1万円以下
合算手取り
50万円
家賃(30%)
15万円
生活費(家賃除く)
27万円
合計支出
42万円
残り(貯金等)
8万円
合算手取り
60万円
家賃(30%)
18万円
生活費(家賃除く)
27万円
合計支出
45万円
残り(貯金等)
15万円

総務省「家計調査年報2024年」、生命保険文化センター(2024年)をもとに編集部作成。外食・趣味費の多寡で生活費は変動する

合算手取り40万円のカップルが30%ルールで動くと、貯金はほぼゼロになる。これは「30%が間違い」という話ではなく、30%はあくまで上限で、貯金したいなら25%以下が現実的だったりする。

家賃高騰の現状(2024年)

アットホームが2024年に公表したデータによると、カップル向き物件(30〜50㎡)の家賃は東京23区が前年比+7.0%、大阪市が+7.9%と全国的に上昇している。同じ「手取りの30%」を払っていても、2年前と同じグレードの部屋には住めなくなっているのが今の現実だ。

SECTION 02

【一覧表】合算手取り別・無理ない家賃シミュレーション

目標別3パターン(旅行重視/バランス/貯金重視)

合算手取り
35万円
30%(上限)
10.5万円
25%(バランス)
8.75万円
20%(貯金重視)
7万円
合算手取り
40万円
30%(上限)
12万円
25%(バランス)
10万円
20%(貯金重視)
8万円
合算手取り
45万円
30%(上限)
13.5万円
25%(バランス)
11.25万円
20%(貯金重視)
9万円
合算手取り
50万円
30%(上限)
15万円
25%(バランス)
12.5万円
20%(貯金重視)
10万円
合算手取り
55万円
30%(上限)
16.5万円
25%(バランス)
13.75万円
20%(貯金重視)
11万円
合算手取り
60万円
30%(上限)
18万円
25%(バランス)
15万円
20%(貯金重視)
12万円

アットホーム・SUUMO・HOMES・UR賃貸の共通見解、総務省家計調査2024年をもとに編集部作成

「旅行や趣味を楽しみながら同棲したい」なら25%ライン、「結婚資金を積んでいきたい」なら20〜25%ラインが目安になってくる。

「貯金できる家賃」の目安

貯金目標を月3万円に設定した場合、実質的に確保できる家賃の上限はこうなる。

合算手取り
35万円
生活費27万円+貯金3万円
30万円
残り=家賃上限
5万円
割合
14%
合算手取り
40万円
生活費27万円+貯金3万円
30万円
残り=家賃上限
10万円
割合
25%
合算手取り
50万円
生活費27万円+貯金3万円
30万円
残り=家賃上限
20万円
割合
40%
合算手取り
60万円
生活費27万円+貯金3万円
30万円
残り=家賃上限
30万円
割合
50%

生活費27万円は総務省「家計調査2024年」の二人以上世帯参考値(住居費除く)に基づく目安。実際の支出は生活スタイルにより異なる

SECTION 03

都市別・間取り別 家賃相場(2024〜2025年版)

都市
東京23区
1LDK相場
11〜13万円
2DK相場
10〜12万円
2LDK相場
13〜18万円
都市
大阪市
1LDK相場
7〜9万円
2DK相場
6〜8万円
2LDK相場
9〜12万円
都市
名古屋市
1LDK相場
6〜8万円
2DK相場
5〜7万円
2LDK相場
7〜10万円
都市
地方主要都市(仙台・広島・福岡等)
1LDK相場
4〜7万円
2DK相場
4〜6万円
2LDK相場
6〜9万円

アットホーム(2024年)、エイブルネットワーク等(2024年実績)をもとに作成。数値は目安であり、エリア・築年数・設備によって大きく異なる

全国平均の2LDKは約6.9万円、東京都では約13.7万円と2倍以上の差がある。自分たちの予算でどの都市・間取りが現実的かは、前節のシミュレーション表の「バランス型(25%)」の家賃と、上の相場表を照らし合わせてみると見えてくる。

📣 PICKUP

SUUMO — ふたり向け物件を相場データと一緒に確認できる

「この家賃は高い?安い?」を判断するとき、リアルタイムの相場データが見られる物件サービスは便利だ。SUUMOはエリア・間取り・家賃帯で絞り込んで相場感をつかみやすく、ふたりで画面を見ながら「25%ライン」の物件を探す使い方がしやすい。僕が実際に使って感じたのは、候補を絞り込んだあとの「内覧する価値があるか」の判断がしやすい点。

微妙だった点:掲載物件数が多い分、条件を絞らないと候補が膨大になる。「家賃上限・間取り・駅徒歩」の3条件を先に決めてから検索するのがおすすめ。
SUUMOで物件を探す →
SECTION 04

家賃以外にいくらかかる?二人暮らし生活費の実態

生活費内訳(総務省2024年家計調査)

総務省「家計調査2024年」による二人以上世帯の消費支出月平均(住居費除く推計)は以下のとおりだった。

費目
食費
月額目安
約7.5万円
費目
水道・光熱費
月額目安
約2.1万円
費目
交通・通信費
月額目安
約3.5万円
費目
衣料・日用品
月額目安
約1.5万円
費目
教養・娯楽
月額目安
約2万円
費目
その他(交際費等)
月額目安
約3〜4万円
費目
合計(家賃除く)
月額目安
約20〜27万円

総務省「家計調査年報2024年」(二人以上世帯の消費支出約32.5万円から住居費約5.4万円を除いた推計)、生命保険文化センター(2024年)

手取り別「家賃+生活費+貯金」バランス表

合算手取り
35万円
推奨家賃(25%)
8.75万円
生活費(目安)
22〜27万円
貯金
0〜4万円
生活余裕度
厳しい
合算手取り
40万円
推奨家賃(25%)
10万円
生活費(目安)
22〜27万円
貯金
3〜8万円
生活余裕度
やや余裕
合算手取り
50万円
推奨家賃(25%)
12.5万円
生活費(目安)
22〜27万円
貯金
10〜15万円
生活余裕度
余裕あり
合算手取り
60万円
推奨家賃(25%)
15万円
生活費(目安)
22〜27万円
貯金
18〜23万円
生活余裕度
結婚資金を積める

生活費は生活スタイルにより実際には変動する。外食が多いカップルは食費が+2〜3万円になりやすい

あわせて読む

同棲1年目のお金のリアル——生活費の平均と節約の設計図

SECTION 05

収入差があるカップルの家賃分担、3パターン比較

収入差があるカップルのお金の話し合いイメージ

ゼクシィの調査では、収入に応じた比率分担(一部負担)を採用するカップルが46.4%と最も多く、7:3の比率が最多だという。「完全折半」だけが正解ではなかった。

以下、手取りA:20万円、B:30万円のカップル(合算50万円)を例に3パターンを比較する。

最もシンプル折半方式
A(手取り20万円)B(手取り30万円)
家賃負担7.5万円7.5万円
家賃後の手取り12.5万円22.5万円

注意点Aの生活水準がBより著しく低くなりやすい。Aが「自由に使えるお金が少なすぎる」と感じやすく、長期的にストレスが溜まっていった。

最も揉めにくい収入比率方式(2:3)
A(手取り20万円)B(手取り30万円)
家賃負担6万円(30%)9万円(30%)
家賃後の手取り14万円21万円

メリットどちらも同じ比率を負担するため、収入に対する公平感が保たれやすかった。「多く払う側が損」ではなく、双方が同じ負担率という見方に変えてから、揉め事が減った。

役割分担型費目分担方式
A(手取り20万円)B(手取り30万円)
担当費目食費・光熱費 8万円家賃 12万円
費目後の手取り12万円18万円

注意点収入の多い方が固定費(家賃)を担い、収入変動リスクをBが吸収する形になる。Aは食費の節約など行動で貢献できる分、心理的な参加感が生まれやすかった。

「どちらが得か」より「どちらが納得できるか」

AlbaLinkが実施した同棲経験者500人調査では、生活費の負担割合・管理方法が揉め事4位(72人)に挙がっている。数字の正しさより、「なぜそのルールが公平だと思うか」を言語化するプロセスが、揉めなかったカップルとそうでなかったカップルの分かれ目だったりする。

払う金額の比率が同じでも、残るお金の絶対額は違う。「払った後に残るお金で、それぞれが満足できる生活ができるか」を基準にすると、分担ルールの答えが変わってきた。

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同棲カップルのお金の話し合い完全版【スクリプト付き】

SECTION 06

ふたりで家賃を決める「3つの問い」【ふたりBase流】

ふたりで家賃について話し合うシーン

競合記事が「30%以下が目安」で終わる中、ここが最も差のつくセクションだ。「正しい家賃」より「ふたりが納得した家賃」を見つけるための問いを3つ紹介する。

問い① 生活ビジョンは一致しているか?

「今を楽しみたい」カップルと「将来のために貯めたい」カップルは、家賃の最適解が根本的に違う。タイプAは多少高くても良い物件で快適に暮らすことを選ぶ。タイプBは家賃を20〜25%に抑えてNISAや結婚資金に回す。

どちらが正解でもない。ただ、AとBが違う場合は「何のために同棲するのか」という上位目標の合意を先にやらないと、家賃の話はうまく着地しなかった。

問い② 「公平」の定義が合っているか?

「公平」には3種類ある。どれが正解かではなく、ふたりが「なぜそれが公平だと思うか」を言語化して一致させていくと、話が変わってきた。

公平の種類
物理的公平
内容
同じ金額を払う
対応する分担方式
折半方式
公平の種類
比例的公平
内容
同じ比率を払う
対応する分担方式
収入比率方式
公平の種類
役割的公平
内容
担当費目を分ける
対応する分担方式
費目分担方式

「折半が当然」「収入が多い方が多く払うべき」という前提のすれ違いが揉め事の大半を生む

問い③ 家賃の高低は何とトレードオフか?

家賃を高くする選択にも低くする選択にも、失うものと得るものがある。これを「どちらが正しいか」ではなく「ふたりが何を優先するか」で決めていくと、納得感が生まれやすかった。

家賃を高くする場合
通勤時間が短縮される
広い空間でストレスが減る
設備が良く家事が楽になる
家賃を低くする場合
貯金ペースが上がる
旅行・趣味のお金が増える
結婚資金・引越し資金の余裕ができる
SECTION 07

将来の変化に備えた家賃設計

今の収入で決めた家賃が、3年後も正解とは限らない。見直しのタイミングを先に決めておくことが、揉め事を防ぐ一番の予防になった。

💼

転職・昇給・降給

収入差が変わるタイミングで分担比率を再設計した。変化が起きてから話し合うより、「変化があれば見直す」と先に合意しておいた方が、摩擦がずっと少なかった。

👶

育休・産休

一方の収入が大幅に下がる時期は、費目分担方式や収入比率方式への一時的な切り替えが合ってた。「育休中は家賃はBが持つ」という合意を事前に作っておくと、いざというときに動きやすかった。

📦

引越しの機会

更新タイミングや転勤・結婚での引越し時が、家賃を見直す最大のチャンスだった。物件探しの前に「次は何%ラインを目指すか」をふたりで決めてから動くと、選択肢が絞りやすかった。

💍

結婚を具体的に検討し始めたとき

結婚式・新居・引越し費用の積み立てを始めるなら、家賃を25%以下に下げて貯蓄ペースを上げる判断が現実的だった。家賃の見直しを「結婚準備の一環」として前向きに話し合えるタイミングだったりする。

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同棲を決めたら最初に話すべき7つのこと

SECTION 08

よくある質問

この記事のまとめ

  1. 合算手取り30%ルールは「上限」。貯金したいなら25%以下が現実的で、40万円で30%適用すると月の貯金は1万円以下になりうる
  2. 東京23区で2LDKを希望するなら合算手取り50万円以上あると選択肢が生まれてくる。1LDKなら40〜45万円から視野に入ってきた
  3. 収入差があるカップルには「収入比率方式」が一番揉めにくかった。双方が同じ%を負担することで生活水準の公平感が保たれやすくなる
  4. 「正しい家賃」より「ふたりが納得した家賃」を選ぶために、生活ビジョン・公平の定義・トレードオフの3つを先に言語化してみたら、話が早かった
  5. 家賃は1〜2年ごとに見直す前提でルールを作っておくと、転職・昇給・育休など収入変化に合わせた再設計がずいぶんラクになった

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参照データ:総務省「家計調査年報2024年」(二人以上世帯の消費支出月平均)、総務省「労働力調査(詳細集計)2024年平均」(JILPT 2025年4月レポートより)、アットホーム(2024年公表データ)、ゼクシィ「共働き夫婦の生活費の負担割合」調査、株式会社AlbaLink「同棲時によくある揉め事ランキング」(500人調査・2023年)、生命保険文化センター(2024年)